作成日:2024/02/02
スカイツリー
先週末、親戚の結婚式に参列するため東上し、古女房と2人、ビジネスに2泊してき
ました。久しぶりの新幹線。到着後、上野公園をぶらつき、その後、楽しみにしていた
スカイツリーに向かいます。浅草から隅田川を渡って1駅。どこか場末感の漂うなか、
エレベーターで地上350メートルの天望デッキ、さらに450メートルの天望回廊に上がり
ました。
いやはや正直申し上げて、腰が抜けそうな高度感でした。とくに天望回廊は、エレベ
ーターを降りた所から少し傾いたらせん状の昇りフロアになっており、歩くにつれ緊張
が高まります。鈴なりの観光客数百人の重みで、地上はるかな空中に浮かんでいるフロ
ア自体がぐらぐらしているような気もします。足元が透明になって目がくらむほどの下
方を見下ろす箇所など、生きた心地がしません。
関東は目下、関西より地震が多いようで、昇っているさなかに震度3ほどでも起これ
ば、揺れに揺れて阿鼻叫喚の騒ぎになるのは必定。顔が青ざめ動悸が早まっていること
は承知のうえで、しかし1時間ほど空中にいました。
てっぺんまでの高さは通天閣の6倍、京都タワーの5倍弱、あべのハルカスや東京タ
ワーの2倍弱。オープンした2012年某日、在京民放の軽薄な女性アナウンサーが「日本
中が待ちこがれたスカイツリーの完成です!」などと興奮しているのをテレビニュース
で見ました。そのときは「ケッ! 何が日本中か。ローカルな電波塔やないか」と思い
ましたが、確かに昇ってみる値打ちはありました。
その翌日、都市ホテルでの結婚式の後、魔界と呼ばれる新宿3丁目の歓楽街で、昔の
山歩き仲間7人とこれも久しぶりの呑み会。楽しく交歓する合間、スカイツリー登頂経
験は? と聞くと、わずか1人。そういえば、すし詰めの天望回廊で聞こえてきたのは
中国語が多く、次に白人と東南アジア系が目立ち、ついでにおのぼりさん風の私ら日本
列島居住者。首都圏の方々はスカイツリーに殊更な関心を持っていないのでは、と思わ
れました。
「オレ達、いつだって昇れるんだからさあ。それに、あそこはコドモとカッペとタコ
が行くところだぜ(笑)」 そんな空耳が聞こえてきた次第です。