桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2022/05/03
映画を9本



 合間を見つけて4月の1カ月間、レンタルのDVD計9本を観まし
た。連休の狭間なので、面倒なことは書かず、気楽な話題として9本
を簡単にリポートします。 ■山村浩二作『カフカ 田舎医者』    2007年11月公開。松竹が配給した短編アニメ(21分)。引き込ま
れて3回観ました。カフカ原作の不条理小説「田舎医者」を大きくデ
フォルメして劇画化。狂言の茂山一座の飄々としたセリフ語りと相ま
って強い印象が残りました。 ■ジョン・ラセター監督『カーズ』『カーズ2』 ■ブライアン・フィー監督『カーズ クロスロード』  ディズニー傘下のピクサアニメが制作したシリーズで、2007年、
11年、17年の公開。レーシングカーを中心にクルマだけが登場して
話が進んでいきます。主にフロントグラスの目だけがクルマごと、場
面ごとの表情を作り出し、これが面白い。私は前からこのシリーズ
が好きで、今回は3本を続けさまに楽しみました。4作目も心待ちに
しています。 ■木村大作監督『散り椿』  黒沢映画で撮影担当だった木村さんが、『剣岳 点の記』などに
続いてメガホンをとった葉室麟さんの武家小説の映像化。2018年
9月の公開。私は原作は読んでいないものの、映画の筋立てにはど
こか既視感が付きまとう半面、映像が確かに鮮やかで、納得して見
終えました。岡田准一、西島秀俊さんらの演技も、落ち着いていて
良かったように思います。 ■クリス・バトラー監督『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の
相棒』  ストップモーション(コマ撮り)アニメの米国ライカスタジオ制
作で、2020年の公開。19世紀末、冒険好きの英国紳士が二足歩行
の類人猿(?)と知り合い、ヒマラヤの雪男探索に赴く、というフ
ァンタジーです。批評家等の評価は高かった一方、興行的には1億
ドル以上の赤字だった由。不人気の理由は不明ではあるものの、私
見ながら「秘密の相棒」の類人猿の造形がさほど魅力的でないのが
一因ではないか、と。 ■片渕須直監督『この世界の片隅に』  2016年11月公開の戦時中の呉・広島を舞台にしたアニメ。こう
の史代という、広島生まれの漫画家の原作の構成に少し手を加えた
とのことです。色彩が淡く、静かで、感心しました。オーソドック
スな反戦アニメとも言えそうです。むしろ、本作より少し早めに公
開されたファンタジーアニメ『君の名は。』(新海誠監督)と当時、
興行上およびメディアの扱いのうえで張り合うような気配だったこ
とを覚えています。 ■マーク・イライジャ・ローゼンバーク監督『フォース・プラネッ
ト』   土や砂から水を作る「水炉」を発明した科学者がロケットに乗り
込み、人類の火星移住計画の先陣として宇宙に飛び出します。火星
到着後、水炉の威力で自給自足の基地を設けるため、片道の燃料だ
けで。しかし肝心の水炉に不具合が生じ、ところがマーク・ストロ
ング演じる科学者は帰還命令に従わず。といった宇宙SF映画で、
米国で2016年に公開され、短期間で上映は終わった由(日本は未
公開で、DVD発売だけ)。心理描写を前面に出した不思議な映画
でした。 ■大林宣彦監督『海辺の映画館 キネマの玉手箱』  2020年4月に肺がんで死去した大林監督の遺作。広島県尾道市
の映画館「瀬戸内キネマ」を仮舞台にしたファンタジーで、若者3
人が戊辰戦争から太平洋戦争まで、その都度、現場にタイムスリッ
プし、しかし何にも関わっていけない様子を描きます。監督の死後
3カ月経って一部で劇場公開されたものの、コロナ禍の影響で短期
間で終わり、私も今回DVDで初めて観賞できました。  3時間に及ぶオムニバス風の映像から伝わってくるのは、『この
世界の片隅に』とはまた別種の強烈な反戦思想、反軍意識で、これ
には圧倒されました。私は1992年公開の代表作の一つ『青春デンデ
ケデケデケ』が泣けてくるほどに好きで、特にそのテンポの良さに
感心しています。『キネマの玉手箱』の一作前『花筐/HANAG
ATAMI』をまだ観ておらず、こちらも早く、と考えています。
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