桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2022/04/17
白い腕章



 ウクライナ・キエフ近郊のブチャという町で起きた虐殺事件に注目が
集まっています。ウ政府の発表とメディアの報道で示された「ロシア軍
による住民大量ジェノサイド」です(死者は数十人説が多いようです)。  4月上旬の発表直後、ロ政府は「濡れ衣だ。第三者機関による調査を
」と繰り返し要求しましたが、国連はいずれも却下。一方、ウ政府は1
−2日のうちに瓦礫と散乱する遺棄死体を片付け、現場を元に戻したと
いうことです。  ロ軍による大量殺戮であるなら、経過と結果を記録するのは重要なこ
と。ウ政府側がロ軍の仕業だと主張したいのなら、実態調査は受け入れ
た方がよかったように思います。ロ政府を批判する国連が調査すれば、
当然ロ軍がやったという調査結果になる可能性が高い。ところが、そう
ではなく、ウ政府側が短時間で現場の痕跡を消し去ったのは、第三者機
関による調査で実態が明らかになるのを避けるため、つまり証拠を隠す
ためでは、とも推測できます。  元コメディアンの大統領が、西側諸国の支援を得るため(全世界から
の支援は期待できなくなっているようです)、ウ政府に都合のいい、言
いたい放題を繰り返している、という一面はないのか。異常心理に陥っ
たロ軍兵士が手あたり次第に無辜の住民を無差別に殺傷している? そ
うは思えない私は、いろいろ調べていて遅ればせながら「青い腕章」「
白い腕章」のことを知りました。  ブチャに限らず、ロ軍はウクライナに進出する際、自分たちが反ロ的
な民兵(アゾフ大隊など)ではない、あるいは中立的であることを示す
ため「白い腕章」(「白い包帯」との訳もあります)を住民に渡し、民
兵らと識別できるようにした、という解説があります。ロ軍が目の敵に
しているのはウ軍と民兵だけで(もともと)住民に害意は持っていなか った、ということです。  これに対抗し、ウ政府や民兵側は地域に「青い腕章」を配り、親ウ・
反ロであることを明示させた、といいます。白と青の腕章が当初混在
し、やがて白と青がそれぞれに分かれ、対立も始まった。そして、今回
のブチャでの虐殺事件の死体が着けていたのは「白い腕章」ばかりだっ
た、というのです。  ウ軍の抵抗で恐慌をきたしたロ軍兵士が、約束を破って「白い腕章」
の住民を皆殺しにしたのか? ウ政府側や西側メディアなら、例によっ
てそう「確信」している、というかもしれません。正直1945年夏の日
本の無条件降伏の後、当時のソ連軍が満州や樺太や千島で繰り返した暴
虐を思えば、そういう推定も成り立ちます。  しかし、ウ政府ですら制御できない、狂暴なネオナチ・アゾフ大隊の
幹部が3月末のロ軍の現地撤収後「白い腕章をした奴らを殺せ。奴らは
敵だ。ロシアがやったことにすればいい」と指示した、という録画が残
っているといいます。  米国のバイデン大統領が12日、ブチャでの事件等を念頭に「ロ軍がや
っているのはジェノサイドだ」と放言し、ウ政府の大統領は歓迎し、一
方で「ジェノサイドは言い過ぎ」とたしなめたドイツ、フランスの首脳
を非難しました。  ロ軍の侵攻は悪辣な軍事行為に変わりはありません。しかし、中には
ロもウも、どっちもどっちでは、という場面もあるようにも思われます。
あるいは、バイデンの感情的な発言はともかく、ドイツ、フランスはブ
チャ虐殺事件の実相に気づいているのかもしれません。  私はしがない零細開業社労士かつ市井の年金受給者にとどまります。
しかし、元新聞記者(崩れ)なので、ものごとは何であれ大真面目かつ
ファンキー(=自由)に観察したい、と考えています。世論の大勢に流
されないこと、メディアの報道を鵜呑みにしないこと、できる限り自分
で判断すること、これが長生きの秘訣になるはずです(近い将来くたば
ったりして)。
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