桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2022/03/05
戦争広告代理店?



 2月上旬から独立したニュースとして扱われ、現実にロシアによる
侵攻が始まった旧ソ連邦・ウクライナの情勢に耳目が集中しています。
マスメディアが流す各政府・公的機関の主張やコメントだけでなく、
ネット空間を飛び交うSNS情報も色々なサイトに拾われ、多数のア
クセスを集めているようです。  概観するなら、ロシアのプーチン大統領が、欧米への接近を図って
いるウクライナに業を煮やし、親露的なウクライナ東部2州の保護と
分離を名目に侵攻を始めた、ということのように思われます。しかし、
マスメディアやネット空間の情報では、ロシアが電光石火の侵攻で早
期に講和に持ち込む予定だったのに、ウクライナの抵抗と西側諸国の 支援等で戦況は膠着状態のようにもみえてきます。それやこれや、い
ろいろと呑み込みにくいことが多く思われます。  例えば、分からないことの一つは、米国のバイデン大統領が2月中
旬の特定の日にロシアが侵攻する、と断定的に発表したことです。国
防総省や諜報機関による情報収集を踏まえてということなれど、この
種の敵対する軍事活動の断定的な予測発表は珍しく、かつ不自然にも
思えてきます。戦争は駆け引きなので、予測の正確さを誇っても何の
足しにもならないからです。  思い出したのは、1992〜1995年のボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛
争に対する西側のプロパガンダです。旧ユーゴスラビアの複雑な民族
対立のあげく死者20万人を生んだとされる紛争で、国際世論を一定方
向に誘導したのが「セルビア人は『民族浄化』のために相対立する民
族を抹殺しようとしている」という逆宣伝でした。紛争は当時から背
景や要因が分かりにくく、「民族浄化」という過激な言葉でセルビア
人を非難し、NATOによる空爆を正当化せしめた、という解釈が広
まったといいます。  これは2002年にNHKの高木徹ディレクターが自ら企画したドキュ
メント番組をベースとするノンフィクション『戦争広告代理店』が描
き出した、米国の広告代理会社によるキャンペーンです。セルビアと
対立するクロアチア等の戦闘勢力が広告代理店側の誘導に沿って、マ
スメディア向けに「セルビアによる民族浄化作戦」について繰り返し
発信していった、ということです。  ウクライナの分かりにくい情勢の裏には、セルビアを悪者に仕立て
ることに成功した「戦争広告代理店」のような機関なり勢力なりシス
テムなりが介在しているのではないか。西側諸国の一員として日本が
ウクライナを支援していることは了解できるものの、妙なところが多
く目につき、ついそう勘繰ってしまいます。
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