桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2022/02/03
幻想交響曲



 若い頃からクラシック音楽が好きです。とはいえ、当ブログであれ
これ書くのは気取っているように思えて抵抗があり、ほぼ毎日車で聴
いているモダンジャズと同様、独りで楽しむだけで十分と考えていま
した。  ところが最近、ベルリオーズの「幻想交響曲」の初演(1830年)
が、ベートーベンの交響曲9番合唱付の初演(1824年)の6年後だ
ったことを知って驚き、つい書きたくなりました。ベートーベンは
「第九」初演の3年後に病死しており、その3年後に「幻想」が登
場したなんて、改めて並べるとすごい話です。  エクトル・ベルリオーズ(フランス)は才気煥発の作曲家・指揮
者・評論家で、20代半ばにイギリスの舞台女優に失恋し、その苦し
みのさなか「阿片を吸いながら」全5楽章、普通のテンポで1時間
ほどの大曲を書き上げます。ご存じの方には言うまでもなく、「夢
」「舞踏会」「草原」「断頭台」「悪夢」と続く展開は派手で起伏
に富み、19世紀前半の曲としては他に例をみない、迫力ある管弦楽
曲になっているように思います。  私はむかし市立宇治中学のブラスバンド部でクラリネットを吹い
ており、河原町三条の十字屋で無理して買った「幻想」のスコアブ
ックで「草原」の主旋律をブウブウとなぞっていた覚えがあります
から、聴き始めて50年近く。LP、テープ、CDを合わせると10種
ほどの「幻想」を保有し、または借りて聴いています。  ミュンシュとパリ管、小澤征爾とボストン響、カラヤンとベルリン
フィルあたりそれぞれ微妙に違って味があるなか、好きなのはデュ
トワとモントリオール響のCD。ホールでの公演は、小林研一郎と
日本フィルの1度だけで、あのカラフルな大音響をナマで聴く鳥肌
モノの体験でした。  夢の中で何かに追いかけられる様子を思い出させる第1楽章、草
原を渡る風を感じさせる第3楽章、オカルト映画の墓場の光景が見
えてくるような第5楽章。今でも通用する、古さを感じさせない音
楽だと思います。「絶対音感」は持ち合わせてはいないものの、耳
は今もよく聞こえ、良し悪しも分かるとうぬぼれていますので、
「幻想」に限らず、楽しみは今後も続きそうです。
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