桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2021/08/03
賛否拮抗は五分五分か?



 東京五輪やコロナ関連のネットニュースに、SNS(フェイスブック、
ツイッター、インスタグラム等)を介した識者や芸能人のコメントが付随
して流れています。様子を見ていると、SNSに氾濫する大量のコメント
から恣意的に選ばれ、しかもそこには量的な裏付けがないことがみえてき
ます。  有名無名を問わず誰かの「フォロワー」になったことがないので、政治
家からタレントに至る時々の「つぶやき」「感想」に直接触れたことはあ
りません。しかし、ネット上ではそれがニュース扱いで登場する。主にス
ポーツ紙と週刊誌のデスククラスが拾い上げ、仕分けしたり、まとめたり
して騒いだり、あおったりしています。  取り上げるのはもっぱらお笑いタレント、元アイドル、有名実業家、元
知事、弁護士、脳科学者など、せいぜい20人ほど。顔ぶれは割と固定的
です。しかも、拾い上げるコメント等はほぼ全部が断片的。ということ
で、彼らは昔風のオピニオンリーダー扱いでもありません。  これら断片的なコメントの集約にはデータ上の裏付けがないのが通例
で、「反対が増えている」「非難が殺到」「賛否両論が巻き起こってい
る」などと形容しても、「どう増えている」のか又は「賛否の正確な比
率」などは不明です。まとめ役のスポーツ紙が「賛成、反対で社会は真
っ二つ」と書いたところで計測不能ですから、どう転んでも印象論。サ
イレントマジョリティ(モノ言わぬ多数派)とノイジーマイノリティ(
騒がしい少数派)の分類も比率が明示できない以上、印象論です。公職
選挙法に基づく選挙の投開票や、設問と選択肢がしっかりした世論調査
とは同列に扱えません。  ネット民による「批判集中」や「炎上」も人数的、量的な裏付けがな
い点では似たようなもの。以前「牛乳石鹸共進社」(大阪市)のCM「
洗い流そ!」シリーズが、一部ネット民の間で小さな騒ぎになりました。
「牛乳石鹸で洗い流してさっぱりしよう」という趣旨のCMが「反動的」
「差別的」だということでした。  私は牛乳石鹸をよく使うので(九州の「シャボン玉石けん」好きのよ
うに)多少調べましたが、牛乳石鹸側は一度も「お詫び」「謝罪コメン
ト」などを出すことなく、新聞や行政が問題にすることもなく、すぐ沙
汰やみ。あの騒ぎなど、ニュース仕立てにした側のマッチポンプ式の言
いがかりだったようにも思えてきます。  そんなネット上の「トレンド」など放っておけばいい。広大で果てが
ないようにみえて、ネット空間など、実は全く狭い世界なのかもしれま
せん。
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