桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2021/06/18
映画を4本



 ネタ枯れもあり、今回はレンタルで和洋の映画4本を観賞。偶然ですが、
いずれも「モデル」があるという選択になりました。 ■中村義洋監督 『決算! 忠臣蔵』  「忠臣蔵」を巨額の費用を要したイベントととらえ、断絶した赤穂藩に
残された資金(現在価値で1億円弱?)でどう帳尻を合わせたのか、とい
う山本博文さんの新潮新書『忠臣蔵の決算書』をベースにした喜劇映画。
2019年11月の公開で、大ヒットしたとは聞いていないものの、ソツのな
い出来上がりで、面白く観賞できました。  大石内蔵助を演じた堤真一ほか、多数登場する吉本興業のタレントらが
みごとに関西弁(赤穂藩士なので、播州ことば?)を使いまくり、しかも
脚本も手掛けた中村監督のセリフ回しがうまく、感心しました。江戸の野
次馬は、元藩士らは浅野内匠頭の命日(3月)に吉良邸に討ち入るのでは、
と予想していたのに、繰り上がって12月の決行になったのは、予算の都合
で翌年3月まで待てなかったからだ、という新解釈には笑いました。 ■ジョージ・クルーニー監督 『サバ―ビコン 仮面を被った街』  2018年4月日本公開のアメリカ映画。1950年代に起きた黒人差別の暴
動事件をモデルにしたサブストーリーに、「理想の街」に住む「理想の家
族」の本当の姿を暴き出していくというメインストーリーが被さる、凝っ
た展開になっています。  すべてが悪い方に悪い方に崩れ去っていく、救いのない、シリアスなお
話。とはいえ、双子の姉妹を1人2役で演じ分けたジュリアン・ムーアや、
生真面目に凄惨な役どころをこなしたマット・デイモンほかの個性的な演
技が光り、サスペンス風の緊張感が横溢していて引き込まれました。 ■ロバート・バドロー監督 『ストックホルム・ケース』  こちらも1973年にスウェーデンのストックホルムで起きた強盗人質拘
禁事件をモデルにしたサスペンス映画。米国とカナダの合作らしく、日本
公開は2020年11月。  事件で人質となった被害者が、加害者と時間と場所を共有するなかで、
憎むべき相手に共感・同情していく現象を「ストックホルム症候群」と
呼ぶそうです。73年の事件でそんなことがあったという事例を踏まえ、
同じ街の銀行の店舗を舞台にしたフィクションに仕立てています。

 ボブ・ディランの歌がしきりに流れ、犯人側も警察側もどこか緊張感
に欠ける描写が連続し、どちらかというと軽さを感じさせる展開ですが、
駄作・凡作とは言えないようにも思います。 ■落合賢監督 『太秦ライムライト』  「5万回斬られた男」の異名を持つ、時代劇斬られ役一筋の俳優、福
本清三さんの初めての主演映画。2014年6月公開。京都・太秦の東映
京都撮影所などで撮影され、ドキュメンタリータッチで物語が進みます。  福本さんも、劇中劇の「江戸桜風雲録」の主役を務めた松方弘樹さん
もすでに故人となり、公開当時に観ていたらもっと面白かったのでは、
と思いますが、いずれにせよなかなかに楽しい映画です。映画やテレビ
での時代劇の衰退はやむなしとも思え、京都の時代劇用のスタジオも往
時のにぎわいはどこにという案配。この映画も「ライムライト」とある
とおり、一種の懐古趣味の側面があることは否めないように思われます。
残念ですが。
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