桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2020/09/17
正義中毒



 コロナ対策で春以降、行政による外出や営業の自粛要請が始まりました。と同時に、要請に応じない個人や店舗がある、ということで、名指しで非難や攻撃や営業妨害を繰り返す、自分たちは匿名のままの面々もボウフラのように湧いて出ています。

 「開いている飲食店がある」と警察に通報したり、里帰りした都市住民の実家に「東京に帰れ!」と貼り紙したり、他県ナンバーの車をあおったり、コロナという名のレストランに電話攻撃が続いたり。マスクするしないの子供じみた喧嘩も依然多発しているようです。これらを俗に「自粛警察」と呼ぶようですが、このネーミングはヘタなので、私はひっくるめて「正義中毒」といった方がいいように思いつつ、とにかくも陰湿で悪質で卑怯な風潮といえそうです。

 一説によると、他者に反発し、義憤にかられて批判したり、攻撃したりといった「正義中毒」は、大脳内で合成されるセロトニンという物質が少ないほど起こりやすいとのこと。しかも、日本人の平均的なセロトニン分泌量は世界的にも最少の部類に入るとか(ほんまかいな)。

 となると、私事になりますが、「正義中毒」を嫌い、SNSを含め他者への名指しの非難や攻撃をまき散らしたことのない私は、幸いなことにセロトニンの分泌が多いのかもしれません(冗談です)。というか、私は若い頃から、ヒトに嫌われて非難されたり、攻撃されたりすることに慣れている(爆笑)ので、ガキのように自分からリベンジするようなことはすまい、泥仕合になる、こちらが我慢すれば済むだけのこと、と達観しているせいかもしれません。

 ともあれ、昨今の「正義中毒」的な風潮は今に始まったものではなく、昔からの「相互監視」「同調圧力」「大勢順応」等々といった、全体主義の風土から生み出されるように思えます。そして、全体主義は、情報化社会に付いて回る病気のようなもの。そんな風土に首までつかり、匿名のポジションからやみくもに「死ね」とか「恥を知れ」とか、うっぷん晴らしの悪口雑言を繰り出して何が面白いのか。あさましく、見苦しく、情けない流行現象としか思えません。

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