桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2020/08/02
邦画を4本



 ネタ枯れを隠す「安全パイ」ということで、今回もレンタルで観た邦画を4本。いいのもあれば、評判ほどでないのもありましたが、とりあえずは順不同で。
 ■鄭義信監督『焼肉ドラゴン』 2018年6月公開。姫路生まれの在日、鄭義信さんが演出して評判になった演劇脚本をベースに、韓国のベテラン俳優(一家の父母)らを配して鄭さんが初めて監督を務めた、在日韓国朝鮮人の戦後史を描くにぎやかな映画です。小中学時代、在日は周囲に珍しくなかったので、スッと入っていけました。舞台は戦後すぐから多数の在日らが「不法占拠」していたという兵庫県伊丹市の外れ(?)、時代は大阪万博(1970年)の前後。焼き肉屋を営む在日の6人家族が大騒動の末、やがては離散していく姿を笑いと涙を交えてテンポ良く描いています。韓国側と同様、井上真央や大泉洋ら脇役の演技(特に関西弁)もうまく、感心しました。
 ■篠原哲雄監督『影踏み』 2019年11月公開。ミステリー・警察小説の横山秀夫さん原作の同名の長編小説を、山崎まさよしの主演で映画化。原作については当メルマガの書評欄でも以前、読後感をまとめており、DVDの不思議な画面もすぐ了解できました。但し、ここではバラせない漢字二文字がキーワードで、原作のときも感じた、よくいえば異色、悪くいえば理解の届きにくい展開になっています。  ■藤井道人監督『新聞記者』 こちらも2019年は6月の公開。官邸や内閣調査室を舞台にしたスキャンダルを追う女性新聞記者と、スキャンダルの告発を手伝おうとする若手外務官僚を主役に据えたフィクション。とはいえ、官房長官会見で有名になった東京新聞社会部の女性記者が書いた原作は、加計学園の大学新設計画などのニュースを形を変えて織り込んでいるらしく、きな臭いといえばきな臭い。私はこのMという女性記者はネット上でしか知らないので、あれこれいう資格も材料も興味もないままですが、映画にもどこかこの女性記者をフレームアップしたような印象は残りました。  ■福沢克雄監督『祈りの幕が下りる時』 2018年1月公開。東野圭吾さんの同名の長編推理小説を、『半沢直樹』のTBS福沢監督が映画化しました。込み入っていてスジを追うのに精一杯といった気配で、ここに加賀恭一郎という警視庁警部補の個人史を絡めているため、初めて東野さんのこのシリーズに触れる側には呑み込みづらくなっています。原作は吉川英治文学賞を受賞した佳作だということで、松本清張の原作、野村芳太郎監督の映画化で有名な『砂の器』に似ている、という評もありました。
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