桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2020/07/18
南アルプス



 日本共産党の不破哲三・元委員長が1998年に発刊した山岳紀行文集『私の南アルプス』を楽しく読み終えました。南アルプスは、静岡と長野の県境を南北に連なる赤石山脈の通称で、山好きの間では「南ア」または「南」で通じます。

 南アにはご承知のとおり、富士山に次ぐ国内標高2位の北岳のほか3000メートルを超える山が10座ほどあり、山塊の奥深さとボリュームは北アルプス(飛騨山脈)を上回るように思います。私は21歳のワンゲル時代に聖岳から赤石、悪沢、塩見、間ノ岳、北岳までを北上する10日ほどのテント泊の夏合宿で山系を縦断しました。のち山小屋1泊2日で鳳凰三山、さらに2泊3日で仙丈と甲斐駒に登っています。都合3回いずれもが天候に恵まれた、忘れがたい山行ばかりでした。とにもかくにも南は雄大であります。

 『私の南アルプス』は、戦前の旧制中学時代に北アの白馬に登っただけの不破さんが初めて南ア・仙丈に向ったあたりから書き出し。それが1988年でときに58歳。その後、毎年夏、国会や選挙のないときを選んで順に南の別の山に通い、主だった名山を押さえ、甲斐駒でほぼ全域の踏破を終えたのが98年。

 メルマガでここ数年「山に入っていない」とボヤき、「今年こそ復活させたい」と気負うだけでまだ再開できていない身。ところが、心筋梗塞の持病を抱えた不破さんが、あの砂利だらけの甲斐駒に登ったのは、今の私より年かさの68歳の夏だったというわけです。

  私は南アの主だった山では、農鳥と光(てかり)岳が未踏。いずれも奥深く、いきなりの再開で選ぶ山としては難しい。しかし、どこを再開のとっかかりにするかは別にして、地道なトレーニングを心掛け、今年こそは少なくとも1000メートルを超える山で涼風に吹かれたい。『私の南アルプス』には改めてそう決意させる爽やかなインパクトがありました。

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 南アルプスといえば、リニア新幹線建設計画を進めたいJR東海・国交省と、地元・静岡県が対立しています。南アの山中をぶち抜くトンネルが大井川の水量と水質に悪影響を与える恐れがあり、しかもJR側の説明が二転三転して信用できない、ということで川勝平太知事が抵抗。名古屋までの開通、さらに大阪への延伸の予定時期が繰り下がるのでは、という懸念(期待?)も流れています。
 
 京都―東京は「のぞみ」で今や2時間。リニアの品川―奈良は半分の1時間。しかし、このトシになると「それがどうした」という気にもなり、「オレの目の黒いうちにリニアの開通をテレビで観たい」ではなく、「目の黒いうちは開通させないでくれ」という気分になっています。
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