桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2019/12/03
カン違い平行棒



 女子体操の「段違い平行棒」は、男子の「鉄棒」に対応し、多種多彩な技などで人気。ですが、ネタ枯れに難渋する私がタイトルにした「カン違い平行棒」は、体操とは何の関係もない、ただの語呂合わせです。カン違いなのにご本人たちはまともと考え、批判したり笑ったりする側とは平行線、というよくあるお話のこと。昨今のニュースほかで出合った「カン違い平行棒」を4つほど並べてみます。

 神戸の小学校で複数のベテラン教諭が、若手教諭に無理にカレーを食べさせるなどのイジメを繰り返していた、という事件が発覚しました。珍しいというか、子供じみたというか。

 一連のニュースで特に笑ったのは、若手教諭にカレーを食べさせる動画がネットから外部に広まり、児童がショックを受けたと思われるので、教育委員会が「地域の小学校の給食の献立からカレーを外した」というお話です。カン違い平行棒の典型です。

 東京・南青山の児童相談所等の建設計画に対し、「南青山は社会的に成功した優秀で一流の人士が住む街。よって、迷惑施設である児童相談所等の建設には反対」というお話もあります。酔っ払いのたわ言か、タチの悪い冗談か、もしシラフで言っているのなら、みごとな世迷い言です。この種の手前勝手でアホらしいミエっ張り、カン違い平行棒を分かっていない自称エリートは、ことに東京に多いように見受けます。

 重い話も。主に韓国側から流れてくる日本とドイツの戦後対応の比較話があります。ドイツは戦争の加害責任を謝罪したのに、朝鮮ほかを植民地にした日本は「謝罪が足りない」です。とはいえ、戦後責任の文脈で日独を同列に扱うのは、歴史認識というより、史実の点で妥当ではないように思えます。

 ドイツはユダヤ人に対する激しいホロコースト(大虐殺)を続けました。死者は推計で500万人とも600万人とも。すさまじい大量殺戮だったと推測できます。朝鮮半島で日本がドイツと同種同等のことをやったならともかく、ホロコーストを脇において、単にドイツほどに謝罪していないという批判は、カン違い平行棒の一種といえるのではないか。

 最後は(またか、と思われるでしょうが)地球温暖化仮説を信奉する方々が主張するカン違い平行棒。牛肉生産の過程で温室効果ガス(牛のゲップなど)が多く発生する、つまり牛肉を食べ続けると温暖化が進んでしまう。だから、肉食をやめよう、という理屈が登場しています。懐疑派からすれば笑い話というほかなく、いわば「自縄自縛」の典型です。

 京都議定書採択のころ、ヒトはジョギングなどの運動で、通常に比べ、吐き出す二酸化炭素の量が5倍以上に増える、だから温暖化防止のためにスポーツは禁止せよ、という信じられない主張が顔を出しました。温暖化のあげくの、ありもしない「灼熱地獄」を避けるための「肉食禁止の勧め」も同列。なぜこんなお話が出てくるのか。温暖化仮説が科学ではなく、科学を装った宗教になっているからです。しかも、そこでは極端な主張が「教義に忠実」とされ、より支持されることになります。
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