桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2019/04/03
いちご大福



 事務所の引っ越し先が決まって準備に追われ、同時進行の仕事も多いので、今回はとりあえず軽めの笑い話で。

 「社会保険労務士」という厚労省がらみの資格を取り、事務所を開業して5年。仕事の手応えとは別に、外を回って痛感させられるのは、社労士という資格の認知度の低さです。とくに思い知らされるのは、病院の文書受付窓口。健康保険の傷病手当金や労災保険の関係などで結構、病院には足を運びますが、窓口で名乗っても「社会保険? えーと」みたいな「知らないんですけど」的な反応が少なくありません。

 女房ですら「社会保険なんだっけ?」と最初は正しく言えなかったほど。確かに、漢字7文字は多い。しかも「社会保険」と「労務」は別のカテゴリーで、直接関連するものではなく、ツギハギ感は否めません。

 「中小企業診断士」は中小企業の経営を診断する人、「不動産鑑定士」は不動産を鑑定する人、土地家屋調査士は土地や家屋を調べる人、という具合に、文字数多めの士業でも意味はおおむね分かります。ところが、社会保険労務士は、社会保険の労務を扱うわけではなく、複数ある労務のうちの社会保険関係を対象にするものでもありません。

 つまり、7文字だけでは何をするのか、何をしたいのかが分かりにくい。しかも、士業のうちでは比較的新しく(それでも去年で制度発足50年)、弁護士、司法書士、行政書士、税理士、公認会計士、弁理士のようなシブさ、重々しさもありません(社労士が軽い資格だとは思わないようにしていますが)。

 人事労務方面で社会保険と労働・労務管理の双方を扱う、ということで1つにしたのでしょう。しかし、実態をみればむしろ「労働管理士」「雇用支援士」みたいな呼称の方が良かったのでは、と勝手に思います。無理に2つを合体させた資格名には「ぜんざいケーキ」「エクレアようかん」「ぶたまんシュークリーム」みたいな不自然さがあります。ミスマッチと思わせながら、意外にマッチして世に広まった「いちご大福」のようなレベルにまで仕立てるのは難しいままかもしれません。

 そればかりか、ある企業に出向いたとき「社会保険なんちゃら、さん?」と聞かれたことすらあります。私は「先生」と呼ばれるのが嫌いかつ苦手ですが、一方で「社会保険なんちゃら」も、バカにされているようで好きではありません。「労務士さん」と言われることもある一方、「労務屋さん」という「総会屋」の親戚みたいな呼ばれ方をされたときは、ムッとしました。どんな呼ばれ方をされようが、依頼元に喜んでいただける実務ができれば、それで手応えは十分ではありますが。

お問い合わせ
■高田社会保険労務士事務所/■〒612‐8083 京都市伏見区京町6‐51‐1 ハイツ美好103/■TEL&FAX 075-748-6068/携帯電話090‐9881‐5702

メールでのお問合せ