桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2019/01/05
映画を4本



 お正月はおとなしくしていました。もっぱら屋内におり、レンタルの映画を4本、本は4冊。シラフで過ごしたこともあり、年末年始は静かな1週間です。

■スティーブン・スピルバーグ製作総指揮/J・A・パヨナ監督 『ジュラシック・ワールド 炎の王国』(2018年7月公開) 

 1993年に公開された「パーク」シリーズは3作。その後の「ワールド」シリーズの2作目で、都合25年のうちの5作目。昨年夏の封切後、早くもDVDのレンタルに入ってその速さには感心します。昨年の興行成績は全米で4位、日本では洋画の年間1位ということで、観た方も多かろう、と思われます。

 前半の舞台は、火山が噴火して恐竜が逃げまどうイスラ・ヌブラル島、後半は北カリフォルニアにある大型の建物。ご承知の通り、ハリウッドの典型的なCG特撮映画で、いろんな恐竜がうまく映像化されていて迫力があります。DVDには本編の他に映画制作の舞台裏を教える短い付録がついていましたが、こちらも楽しめました。ラストで11種の恐竜群が山中の建物から出ていきますから、当然次作(シリーズ6作目)も予定されている、ということのようです。


■ドゥ二・ヴィルヌーブ監督 『メッセージ』 (2017年5月公開)

 地球の各地に飛来した12個の巨大な物体。何とかコミュニケーションを取ろうとするアメリカほかの研究者たち。やがて主役の女性言語学者が7本足の地球外生命体(へプタポッド)との会話に成功し、一触即発の危機をかわして相互理解に至り、時空を超えた巨大物体は一斉に天空へと消える。

 といったふうな筋立ての、しかしよく分からないSF映画です。正直いって、地球外生命体が伝えようとしたメッセージが何だったのかは字幕を読む限りでは判断できず、後知恵風に講釈を聞いても、映像だけでは分からないものは分からないまま。むかし何が言いたいのか分からない不条理劇風の映画を観ては「深読み」に耽ったこともありますが、今は、エンタメならいたずらに観客をまどわすのはどんなものか、とシラケることが増えています。本作は新奇で高尚で深遠極まりない「哲学的SF映画」かもしれません。

 
■阪本順治監督 『団地』 (2016年6月公開)

 「しやべくり映画」というジャンルだそうです。主演は藤山直美と岸部一徳。大阪の団地アパートを舞台に(ロケ地は栃木の団地)、元漢方薬局経営の直美、一徳夫妻と同じ団地アパートに住む面々が織りなす、自治会長選挙などをダシにした人情物コメディー。と思いきや、ここにもまたまた宇宙船が登場して――。

 脚本も書いた阪本監督が、冗談交じりの好き勝手なシナリオで突っ走ったみたいな出来上がりです。低予算のB級映画的な雰囲気が楽しく、とくに岸部一徳の存在感はいつもながらで、味があります。石橋蓮司も役柄ぴったりです。
 

■松島哲也監督 『ソ満国境 15歳の夏』(2015年8月公開)

 敗戦の1945年8月、ソ連との国境そばに置き去りにされた満州国・新京中学の生徒たちの帰還をめぐる実話に基づいた邦画です。

 敗戦後、関東軍が救出に来るはずもなく、生徒たちは数十日にわたって満州北部を彷徨し、途中、行き当たった村で、最初は拒絶した満人、朝鮮人の村人たちの世話を受け、助けられます。いわば日満朝の奇跡的(?)でヒューマンなエピソードの経緯を実際にあった話として再現しています。

 文部科学省推薦の戦争秘話というか、敗戦・逃走の挟間での美談というか。私は昨年末、当ブログでも断続的に紹介したように故船戸与一さんの長編近現代史小説『満州国演義』全9巻を読んでいることもあり、この映画は牧歌的すぎる気がしました。

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