桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2018/07/16
働き方改革




 国会で成立した「働き方・休み方改革」関連法について簡単に触れます。

 青天井だった残業・休日労働届(三六協定届)の規制強化、年休の取得促進(1人5日の取得義務付け)など、多くの法改正が議決され、早くて来年4月の施行を前に、大小の企業・法人等は改正に合わせた対応を迫られることになりました。

 さまざまな国の政策説明、各ジャンルの識者等による論評、労働関連法のアミを被る大小の事業所の対応など、メディアも「働き方改革法」について盛んに取り上げています。

 難点は正直、話が抽象的で、従前とどこが違うのか分かりにくいこと。ただ、過剰労働を減らし、年休を労働者にもっと取ってもらう、という規制の流れが強化されることは確かで、今回の改革が労働者の仕事と生活のバランスを正す、という見立ても間違ってはいないと思われます。しかし一方で、人を雇用する事業所がこれらにきちんと取り組むことが生産性を高め、収益の向上・改善につながる、という筋立てになると理想論の域を出ず、そんなに簡単な話ではない、という現場の声は根強く残っています。

 とくに昨今は多くの業種で人手不足が続いており、残業の抑制や年休の取得増と人手難への対応は矛盾している、と言いたくなるのもうなずけます。

 残業の抑制という点でみても、労働を時間という「量」を目安にしていて、「質」を問うていない、という長くくすぶっている不満は解消されていません。「質」は測りがたく、やむなくタイムカードの打刻時間をチェックする、みたいな水準で話が終始しているのが今回の「働き方改革」。仕方ないとはいえ、その辺りが行政の限界ではないか、とつい考えてしまいます。

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