桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2018/06/18
神対応?



ネット上のニュースやコラムをよく読みます。既存のマスコミの配信だけでなく、ネット専用のサイトも時々チェック。そんな折、タイトルや記事本文でワンパターンの表現に出合うことが多く、いつもひとりで「同じ言葉を繰り返して使うな」「もっと表現に工夫を」とケチを付けています。

以前当欄で「さらなる」「違和感」「視野に入れて」などを「昔はほとんど誰も使わなかった」奇妙な流行語として取り上げたことがあり、その続編。今回の三つは、マスコミのうちのナンパ系週刊誌や、ネット上でもっぱら活躍しているグループ・個人からの発信に目立つように思われます。

まず「神対応」「塩対応」「鬼対応」など。ネット上では手アカまみれで、つくづくイヤになります。「神対応」は「見事な対応」ほどの意味でしょうが、この場合の「神」は日本風の八百万(やおよろず)の神々ではなく、一神教的なゴッドのニュアンス。ということで、キリストやアラーを信じてもいない身で気安く惰性のまま「神対応」などと言うな、という反発を聞いたこともあります。

続いて、ナンパ系の記事に多いのが「美し過ぎる」「かわい過ぎる」「有能過ぎる」などの言い回し。一度や二度ならともかく、ハンコを押すように「〜過ぎる」をつける芸のなさには呆れます。軍隊と何の関係もないのに「美女軍団」と勝手に名付けるだけならまだしも、それが「セクシー過ぎる美女軍団」となると、「もうちょっとアタマを使えよ」と言いたくなります。「美しい」と「美し過ぎる」はどう違うのか、強調以外の説明がつけられるのなら、聞いてみたいぐらいです。

三つ目は「持論」。例えば、誰か有名人が「私は○○だと思う」と発言し、それを引用するときに「と持論を語った」といちいち「持論」の2文字を加えるパターンです。「○○だと思う」と話した、でも構わないのに、「持論」と注釈することでリポーター自身または一般的・常識的な見解とは異なっている、というニュアンスを伝えたいようです。ヒトの意見を勝手に選別し、合わないのを「持論」と片付けるのは、セコいやり口です。

少し前に当メルマガで書いた「ジジイ」の不平・不満そのまま。しかし、今回のようなワンパターンが繰り返し出てくると、つい発信元に言いたくもなります。「君たちはタコですか?」

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