桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2018/04/03
マイナンバー その4



定着したのかどうか、はっきりしないのがマイナンバー(個人番号)。対行政の手続き上、今はマイナンバーの記入欄が空白でもしのげていますが、5月1日からは記入が必須となる場面が増えます。特に雇用保険の資格取得と喪失、つまり労働者の出入りにマイナンバーがないと厚労省のシステム自体が届出を受け付けなくなる、ということのようです。

2016年1月の運用開始から2年と少し。雇用の出入りの届出では、記入欄こそあるものの、個々のマイナンバーがなくても資格取得・喪失はできました。ハローワークの窓口で「個人番号(変更)届」という用紙をもらって追加で提出すれば可、という緩やかな対応です。

ところが、採用や離職の多い年度代わりの時期を避けたとはいえ、5月からマイナンバーの記入が事実上完全に義務付けられ、未記入だと雇用保険の端末が動かない、ということになる次第です。しかし、通常の事業主は雇入れの時点で個々のマイナンバーを集めてはいるものの、そうでない事業所も少なくはありません。

私の経験でも、労働者のうちざっと1割ほどの方が「通知カードをなくした」「カードは実家にあるはず」という塩梅で、雇用の出入りでも記入欄は空白のまま。パートに出て会社から税金や雇用保険のためにマイナンバーを求められ、探したあげく「通知カードなんか手元にない。私のは、ダンナの次の番号やと思う」と答える女性もいました(マイナンバーは個々バラバラで、ご主人の番号と1つ違いということはありません)。

3月5日からの所定用紙に記載欄が出てきた公的年金は、基礎年金番号またはマイナンバーとあるので、当座しのげます。しかし、雇用保険の手続きで記入が事実上完全な義務付けとなると、大なり小なり混乱が生じるのでは、と予感させられます。

マイナンバーは国レベルで運用が始まっている以上、逆らえません。しかし、この制度について当メルマガに過去3回書いてきた私がずっとグチっているのは「マイナンバーは行政の都合(だけ)で始まった」ということです。窮屈かつ迷惑な話です。
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