桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2017/10/18
サラリーマンは多数派か



世の中は「サラリーマン」が多数派でしょうか。クレージーキャッツの植木等が「気楽な稼業」と歌った、あのサラリーマンです。植木等の映画での役名が平均(たいら・ひとし)だったように、サラリーマンには平凡・平板なニュアンスがあります。要は勤め先の企業から(仕事をさぼっていても)ほぼ定額の給与を月々もらっている階層です。

サラリーマンは普通、ホワイトカラーの事務職・営業職という語感であり、給与所得者という階層の全部を意味してはいません。理系の技術職がエンジニア、技師、研究員、技能職は作業員、工員、職人等と括られ、サービス業や小売業は店員、スタッフなどと扱われます。これら多彩な層は、高度成長期の狭い意味でのサラリーマンには(一部を除いて)含めないのが無難といえます。

全労働者に占める非正社員の比率は、総務省調査では2016年で38%。2000万人を超える非正社員はどう転んでもサラリーマンを名乗れません。私らが日ごろ出入りしている中小・零細企業にサラリーマンはごく少なく、お店や工場や作業現場で働いているのはパート、アルバイトを含めて「従業員」または単に「労働者」と呼ぶのが自然です。サラリーマンは大企業・中堅企業の一部にしかいないのでは、というのが私の憶測です。

テレビでは、東京・大手町などでさも有権者の代表みたいなネクタイ・スーツ姿のサラリーマンからコメントを取ったりしていますが、あんなのは代表でも何でもありません(大阪・道頓堀あたりで向こうからマイクに寄ってくるおばはんは、庶民の代表かもしれませんが)。

『2016年版中小企業白書』の統計データをみると、国内の大企業は1万社で従業員は1433万人(30%)、中小企業は381万社で3361万人、中小企業のうち小規模事業者は325万社で1127万人(24%)。これに正規、非正規の区分けを大雑把に掛け合わせると、サラリーマンは1000万人を割り込むのではないか。

総選挙の様子をネットでみていると、いまだに「サラリーマンの側に立って」という古めかしい言葉を使っている候補がいました。「一億総中流社会」というフレーズがウソっぽかったように、このような常套句を繰り返す御仁は、まこと政治家に向いています。

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