桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2017/09/01
さらに映画3本



前回のコメント「映画4本」が楽だったので、味をしめて今回も、ゲオでレンタルしたDVDの簡単なリポートでつなぎます。

『ハリウッドがひれ伏した銀行マン』。2014年公開のオランダ映画です。独立系の映画制作会社に出資し、完成前に配給権を売って稼ぐという「プリセールス」方式。今では珍しくもないこの手法を1970年代にあみ出したロッテルダム出身の銀行マン、フランズ・アフマンの生涯を描くドキュメンタリーです。

アフマンが制作を支援したのは『ターミネーター』『プラトーン』『ランボー』『ダンスウィズウルブス』など約900本。娘のローゼマイン・アフマンが監督として、生前の父やハリウッドの映画関係者にインタビューしたのをまとめた、味のある記録映画です。最も良かったのは、フランズ・アフマンが仕事部屋でぎこちなく1人で踊ってみせるラストシーンでした。

『天地明察』。第7回本屋大賞を受賞した冲方丁さんの同名の時代小説(2009年)ほとんどそのままの映画化。2012年公開。江戸時代前期に活躍した天文暦学者、渋川春海(安井算哲)の生涯を、『おくりびと』の滝田洋二郎監督が主役に岡田准一を据えてテンポよくまとめています。

原作と映画を比べると、出来具合と面白さは同じくらい。映画が原作をしのぐことは多くはなく、その意味では佳作かもしれません。春海が日本独自の大和暦を作り上げ、京都の公家が既得権を守ろうとする中国産の旧暦をやっつけるあたりがヤマ場ですが、むしろドラマの前半、春海もチームに加わる天文暦学者たちの調査旅行の描写が楽しく、印象に残りました。

『ある戦争』。2015年公開のデンマークの映画です。トビアス・リンホルム監督。平和維持活動でアフガニスタンに派遣されたデンマーク陸軍の将校が、負傷した部下を救うため、敵(タリバン)が近くにいると考えて基地に空爆を求め、結果として現地の民間人11人が殺されます。

ところが、主人公の将校は敵の所在を本当に確認したのかが問われ、軍法会議で訴追されてしまう。荒野のただなかでビクつきながら活動する兵士たちの日常(ロケはトルコだったようですが)と、デンマークに暮らす妻子4人の姿を交互に描く、ヒューマンタッチのドラマでした。トーンを抑えた、地味な作品ですが、余韻があります。


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