桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2017/05/02
助成金 その1



厚生労働省の各種助成金をもらうための代行申請は、社労士が「業として扱える」独占業務。厚労省は中小企業の残業減らしや人材確保を狙った助成金をいくつも用意して予算を組んでおり、私も最近それらの代行申請が実務の柱の一つになっています。取り組んでいる助成金は準備中を含めると目下、延べで20件を超えました。

毎年変わる今年度分で人気があるのは、パート・アルバイトの処遇改善を図る「キャリアアップ助成金」(継続)、▽終業時刻から翌日の始業時刻の間に9時間以上の休息を設ける制度を導入する「職場意識改善助成金・勤務間インターバル助成金」(新設)、▽旧キャリア形成促進助成金を衣替えした正社員対象の「人材開発支援助成金」(継続)、▽離職率の低下を目指す「職場定着支援助成金」(継続)など。女性、高齢者、障害者の雇用を対象にした助成金もたくさんあります。

手続きはどれもおおむね複雑です。私は依頼元の経営者に趣旨を説明した後は「用紙に代表印を押すだけでOK」と断っていますので、複雑な部分は全部背負い込みます。一方、申請マニュアルに沿って書類を用意しても、窓口でブレーキがかかることが時々起こります。

そこで心掛けているのは、まずは行政の窓口とケンカしないこと。電子申請や郵送申請ができる助成金は原則としてありませんので、常に窓口のベテラン職員さんと掛け合って受理してもらえるよう努めます。ここで気付かされるのが、職員さんにとっても「判断に迷う、要件上のグレーゾーン」があり、それがブレーキの一端になるということです。

職員さんも要件を満たす申請はきちんと受理し、趣旨通りに中小企業に助成金を活かしてもらいたい、という意向をお持ちですので、昔はいざ知らず、近年は窓口での対応もマイルドです。という次第で、グレーゾーンにあることを見抜いても、何とか受理できる方向でヒントをいただけることがあります。

例えば「申請書類をこうお書きになれば、私らも受け付けやすくなります」とか、「こんな書き方もできなくはないでしょう」とか。もっと微妙な対応では、「ひとり言として聞いてもらえたら」とか「(この解釈は)私から聞いたことは忘れてください」といった、その場限りのニュアンスでいい方向に誘導してもらえることすらあります。

行政内部での指導や通達に沿った範囲に収まる「ひとり言」や「解釈」でしょうし、行政として許容できる一線を超えるものではないことは確か。それでも、私はヒントをもらって内心「しめた!」と思いつつ、快くアタマを下げ、窓口や職員さんに迷惑が及ばないよう配慮します(具体例で書けないのは、そのため)。

名刺に書き込んでいるキャッチフレーズの一つが「助成金のフル活用」。着手金はゼロですし、支給決定が出た折の報酬は、業界相場からみても割安だと思います。全体を通じて依頼元の事業主には(顧問料を含め)差引で必ずプラスになるように動く、というのが当事務所のモットーでもあります。

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