桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2015/05/21
職場定着支援助成金



 前回に続き、目にとまった助成金についてご案内します。この助成金を使えないだろうかという相談があり、調べてみると、やや煩雑ながらも、きちんと手続きすればなかなかに味のある助成金ではないか、と思った次第です。

 「職場定着支援助成金」は、昨年度までの「労働環境向上助成金」(廃止)を組み替えた新しいもので、雇用する労働者の「定着率の向上(離職率の低下)」を図るために「雇用管理制度」を導入する事業主に対し、前段として4種類ある制度の導入ごとに各10万円を支給し、さらに制度導入による効果があって「目標」を達成した場合、一律に60万円を支給する、という内容になっています。

 雇用管理制度は、就業規則などに人事評価基準などを明記しておく「評価・処遇制度」▽定着率向上を狙った従業員教育の場を設ける「研修制度」▽人間ドックなどの法定外健康診断を実施する「健康づくり制度」――など(複数の導入もOK)。これらのうち一つでも計画として取り込んで実施し、労働局から承認を受けることでまず前段の助成金がもらえます。

 そのうえで、計画実施前の1年間と、実施後の1年間の(雇用保険に入っている)労働者の離職率を算定して対比し、前後で人数別に15〜3%下げるという目標値をクリアすれば、後段の助成金も受給できる、という流れです。

 ひと言でいうなら、労働者が定着しやすい職場環境づくりを図れば、それが助成金の対象になる、という次第で、労働力の過剰な流動化に歯止めをかけたい、とする厚労行政の一環といえます。算定期間の対比のため、延べ2年間の記録を要しますが、辞める社員が1〜2人出た、体制をしっかりさせて定着率を上げ、経営を安定させたい、という中小企業の事業主の方々には、使いでのある助成金といえそうです。

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