桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2014/04/18
場違いながら、温暖化論をひとくさり



 今回は社労士の立場から離れた話題です。

 私は「地球温暖化論」を調べるのが趣味です。スタンスは「懐疑論」あるいは「慎重論」。京都議定書ができる前からなので、20年近くになります。関連書籍・資料多数をこなし、勢いのあったころは日本物理学会(北大で開催)、日本海洋学会(琉球大)をたて続けで私費取材。勤務先の新聞の大型コラムで「人為的温暖化論は真偽不明」という趣旨の主張を2度書いて全国からほぼ同数(約50件ずつ)の賛否の手紙やファクスを受け取りました。賛同する方々のは「温暖化一辺倒のマスコミの中にあって勇気ある主張です」など。批判する方々のは「シロウトは黙ってなさい」「信じられないほどの反動記事」など、感情的・一方的で口汚いものが大半でした。

 人為的温暖化論を受け入れがたい理由はたくさんありますが、ひと言でいえば、科学が政治に介入し、政治が科学を利用しようとしている点にあります。イデオロギー化している(もっと嫌味にいえば、新興宗教のようになっている)といってもいいかもしれません。

 たとえば、仔細に調べると、CO2など温室効果ガスの排出増と地球の平均気温の推移はほとんどリンクしていませんし(IPCC、つまり「気候変化に関する政府間パネル」はリンクしているように見えるデータだけを採用します)、21世紀に入って以降、地球上の平均気温は横ばい傾向にあり、多くの太陽物理学者が指摘する通り、低下の兆しがみえます。日本で猛暑が続いているのは、東アジアモンスーン気候帯という域内の変化で、地球規模の気温の上下とはあまり関係ありません。厳冬や大雪も「温暖化」のせいだ、というアクロバチックな強引な論法にいたっては、抵抗する気も失せてしまいます。

 さらに、英米の気候学者を中心にした、大規模なデータの改ざん・ねつ造と懐疑派締め出しの大騒ぎ(日本では北海道新聞以外、ほとんど全く報道しなかった「クライメートゲート事件」)など、政治勢力と化したIPCCを軸とする「人為的温暖化論」陣営の内実は、呆れるほどにひどいものでした。

 といった次第で、調べるほどに、この「国連公認の御用科学」(強硬な懐疑論者に言わせれば「史上最悪の科学スキャンダル」)の不合理が目につきました。自然エネルギーの活用や省エネにはおおむね賛同しますし、環境に与える人間の負荷にも関心があります。しかし、限られたデータをコンピュータに取り込み、チューニングしながら作った「人為的温暖化仮説」が、マスコミや教育現場で「事実」として扱われている現状には首をかしげざるをえません。

 今月上旬、ドイツでIPCCの総会があり、温暖化をめぐる報道が目立っています。いわくつきのIPCC議長による断定的・独善的なアピール、温暖化による自然環境・社会・経済面での破局予想など、メディアは依然、恐怖・危機感をあおるニュースを流しています。IPCCが人為的温暖化論の総本山で、その報告が「教典」になっている現状を思えば、仕方のない面もあります。しかし、CO2削減に及び腰の国々を「協調性がなく、対応が手ぬるい」と批判し、一方で、極端なことを唱えれば唱えるほど、同調する層が増えるのは世の習い。中国やロシアの動きを思えば、全世界が歩調を合わせた目標のCO2削減など、まず達成される見込みはない、と私は考えています。

 温暖化仮説だけでなく、「環境」はすでに批判を許さない大義名分となりました。小さなスーパーが「地球温暖化防止のため、レジ袋は有料にさせていただいております」などという「風が吹けば」式の、冗談のような屁理屈をアナウンスする時代です。私は生来、少しだけ偏屈・頑固ですが、勉強するほどにおかしなところが目につく温暖化論と付き合って、一段と偏屈・頑固になりました。

 もっとも、社労士の仕事は温暖化論とは100%無関係です(笑い)。仕事は柔軟に、臨機応変に、意欲的に、きちんとやりとげる所存です。 

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