桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2014/04/09
小倉まで往復



 少し前に書いた「女子挺身隊時代の年金加算請求」の準備のため、夜行バスで九州に赴き、終日調査に動いて、夜行バスで帰ってきました。

 早朝、JR小倉駅そばに着き、むかし半年ほど住んだ小倉の街を歩き、9時半の開館と同時に北九州市立中央図書館へ。小倉陸軍造兵廠史や造兵廠同窓会関連の資料を検索し、閉架から出してもらって調べに入ります。6冊ほど保蔵されていた資料を積み上げてのチェック。確かめたいのは、今回相談を受けたお2人の元女子挺身隊員が造兵廠に在籍していた、という個人名の有無です。しかし、午前中一杯かけて6冊の全部を流し読みしても、お2人の個人名は見つからず。事務員だった2人から聞いていた当時の上司(陸軍少将とか大佐とか)の名はちらほら出てくるものの、それだけでは在籍の確認になりません。

 続いて着手したのは、中央図書館が保蔵している当時の西日本新聞のチェックです。第2次大戦末期は「一県一紙」体制になっていたので、小倉造兵廠関連の記事は西日本新聞にしか載っていないのでは、と踏んだため。ところが、DVDに収められている記事(当時は2〜4頁)を続々とPCの画面に出して分かったのは、軍関係の施設の場合、民間人の名前はまず出て来ない、ということでした。当時の他の記事も興味津々で拾い読みしましたが(インパール作戦が「特派員電」で「連戦連勝」扱い)、3時間ほどかけて収穫はなし。

 さらに、図書館のスタッフからアドバイスを受け、歩いて7分ほどの市埋蔵文化財センター内の「戦時資料展示コーナー」へ。小倉陸軍造兵廠は「軍都・小倉」の象徴のような兵器工場だったので、展示資料はいくつかありました。ただ、名簿のたぐいはナシ。そこで、センターの職員に聞くと、市地域振興課が「市民からの戦時資料の寄贈窓口」とのことで、電話で同課に訊ねると「兵器廠の名簿等はまだ申し出がなく、保有していません」との返事です。

 あきらめかけてセンターを退出し、少し歩くと「市文書館まで80b」の道案内。ダメモトで文書館に入り、出てきた女性スタッフに相談を試みました。すると、「以前、広島の方で陸軍関連施設の在籍が確認できたことがあります。せっかく小倉までお越しになったのだから、こちらでも調べてみましょう。お返事はメールでよろしいですか」。

 旧令共済年金の加算請求のためには、在籍していたという本人の申し立てとともに、公的な在籍確認が必要です(全くなくても何とかなる、とは聞きますが)。今回は調査(取材)の最後に、次につながる話が出てきました。どう話が進むかまだ不明。とはいえ、小倉入りはとりあえずは無駄足ではなかった、と思うことができました。
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