桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2014/02/19
『半沢直樹』のディレクター



 きのう京都商工会議所で福沢克男さん(TBS)の講演を聴きました。平成のテレビドラマ歴代1位の視聴率を獲った『半沢直樹』のディレクターです。福沢諭吉の孫の孫。だから、というコネも効かなかったらしいTBSに入るまでの前置きもユニークでしたが、とりあえずは以下に『半沢直樹』がヒットしたワケについて備忘録風に。

 ○日曜夜9時から、という重要な時間帯での新しいドラマ。通常、テレビドラマは女性、とくに主婦層に受けるかどうかがカギになる。しかし、我々はテレビドラマのマンネリ化に危機感を持っていたので、あえて「女性に好まれなくても構わない」というスタンスで製作に乗り出した。

 ○放映が具体化したのは、池井戸さんの小説全部を読み、『バブル入行組』シリーズが最高に面白く、ご本人に「ドラマにさせて下さい」と頼み込んでOKをもらったことから。ただ、私自身、迂回融資だの粉飾決算だの、あるいは銀行員の硬い仕事を描くことが主婦層に受けるかどうか、自信はなかった。あったのは、テレビドラマの常識を変えたい一心だけ。当初はTBS内部でも反対が目立ったが、現場の製作チームが一丸となって逆風に向った。結果オーライになるものの、後には引けない覚悟で製作に臨んだのが良かったように思う。

 ○という次第で、「女性の好み」を捨てて放映スタート。しかし、初回から20%を超える視聴率を取り、しかも女性からの反応が予想外によく、つられて男性視聴者が増えていったようだ。ただ、最終回で半沢直樹が系列の証券会社に飛ばされる人事については、男女で反応が対照的。女性は「なんで?」と不満だったようだが、男は「取締役会で役員を土下座させたのだから、出向は当然」という受け止め方がもっぱらだった。

 ○配役は全部キャラが立っていて成功だったと思う。私が狙ったのは「聞き取りやすい早口」。堺さんも香川さんもその点、天才的だ。

 ○3月にトヨタ自動車のむかしの危機を描いたドラマを放映する。『半沢直樹』の続編はたぶん4月にスタート。まだ正式には固まっていないが、ご期待願いたい。

 ――といったところです。エラぶったところはなく、元ラガーマンらしい威勢のいい大きな声で語りかける、ユーモアたっぷりのお話でした。
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