2026/09/04
高倉健の映画3本
ネタ切れの一面はあるものの、今回は高倉健の映画3本をアマゾンプライム
等で観た記録となります。健さんの映画はたくさん観ていますが、今回は古い
映画が2本あり、どれも新鮮な気分で楽しめました。 ■佐藤純彌監督 『新幹線大爆破』 1975年公開。高倉健をリーダーとする犯人グループは、博多行の新幹線に
「時速80キロ以下になると仕掛けた爆弾が爆発する」と脅迫して巨額の身代
金を要求します。東映が『タワーリング・インフェルノ』等を意識して作った
というパニック映画で、50年以上も前に、しかも当時の国鉄が反発して制作
に協力しなかったという制約下、いま観ても楽しめる内容です。 国鉄は妨害こそしなかったように思えるものの、走る新幹線ひかり号は実
際の盗み撮りかミニチュア。高倉健や新幹線技師に扮した宇津井健、運転士
の千葉真一らの演技はうまく、ひかり号の撮影上の弱みを補っています。新
橋の喫茶店の突然の火事という、封切当時も怪訝に思ったエピソードが当然
残っており、やはり思い出して笑いました。 ■降旗康男監督 『居酒屋兆治』 山口瞳さんの原作小説の舞台を、国立市から函館に移した奇妙な風合いの
一作。1983年の公開で、こちらは初めて観たようにも思います(はっきりし
ません)。タイトルからは何となく喜怒哀楽をまぶした人情話かと予想してい
たところ、まるで違っていました。登場人物が大なり小なり周囲からズレて
いて、人物の交錯具合も微妙に屈折しています。クセがある、というか。とく
に大原麗子演じた、主人公の幼なじみには「こんな極端なヒト、いる?」と
思わされました。 大原麗子はともかく、高倉健のほか、伊丹十三や、主人公の細君になった
加藤登紀子らの演技が面白く、40年以上前の制作ながら、古びた気配はなか
ったように思います。函館の街の情景もシブく、引き付けられました。 ■降旗康男監督 『ホタル』 鹿児島は桜島を望む漁港で暮らす夫婦をメインにした2001年制作の東映
50周年記念映画。知覧基地にいた元特攻隊員で、戦後は錦江湾でカンパチ
養殖に励む高倉健と、病気に苦しみつつも健気に生きる妻田中裕子を絡めた、
一種の特攻隊員モノ。まず、桜島や開聞岳、韓国の村の情景など、映像が印
象的で、引き込まれました。 高倉健はいかにもの「元特攻隊員」という存在感を示すより以上に、「高
倉健が高倉健を演じている」という気配が強く、いわば若い頃の任侠映画や
『網走番外地』シリーズでの高倉健ほとんどそのままというイメージを残し
ているようにみえます。いい悪い、うまい下手ではなく、その意味でも高倉
健は「不器用ですから」だったのでは、と思わされました。




























