桂川通信コメント
桂川通信コメント
作成日:2026/02/17
モンベル



 先週12日、山道具開発・販売の国内最大手「株式会社モンベル」創業者・辰
野勇さん(現会長、78歳)の講演を聴いてきました。社労士会の研修事業の一
環。業務に役立つかどうかは別にして(たぶん役立たない)、語りは面白く、
内容は興味深く、楽しい1時間半でした。  山ではモンベルのロゴ入りウエアやザックやテントが目立ちます。半面、天
邪鬼の私には昔から市場シェア1位のブランドを避ける性向があります。好ん
で食べるウインナはシャウエッセン(日本ハム)ではなくアルトバイエルン(
伊藤ハム)、国産ウイスキーはサントリーよりニッカ、蚊取り線香はキンチョ
ウを避けてアース製薬を選びます。トップを追う二番手の心意気が好きだから、
という事情もあります。山道具を揃えるのも、思い返せば石井スポーツとか好
日山荘とか。実は身の回りにモンベルの登山用具はほとんどないままでした。  とはいえ、講演でもモンベルの個性は見えてきました。1975年の創業で昨年
50周年を迎え、内外に多数の店舗を展開しているなか、奈良県吉野郡の黒滝村
(人口約600人)に店を出す、などの思い切った戦略を取っています。「会社
はつぶさないことが第一」ということで、黒滝村では地元森林組合に運営を委
託するなど赤字にならないよう、赤字になっても最小限になるよう工夫し、伊
達や酔狂や人気取りで出店しているわけではない、とアピールします。  一方、創業時を含め、登山を生業にするために起業して以降、山が好きなス
タッフを仲間に迎え、自分たちが欲しい山道具を開発して売り出すことに全力
を尽くしてきた、といいます。後で調べて納得したのは、モンベルの山道具開
発のモットーは「機能第一」。  例えば、生地が青色のウエアのジッパーには補色(反対色)である橙色を使
う。補色の組み合わせなら視認性が高く、雪の中などでも目立ちます。ところ
が、山のウエアを下界でも着るとなれば、補色はダサい。いま社長を務める息
子さんは「ウエアにビッグロゴや刺繍は入れません」とインタビューで答えて
います。機能以外は二の次、ということです。今も昔もおしゃれには関心のな
い私はこの辺り賛同するところです。  辰野さんがあちこちで話している大学受験時の逸話があります。堺市でのれ
んを掲げた寿司屋の8人きょうだいの末っ子。高校卒業間際、ご両親に「信州
大学を受験する」と伝え、旅費などを受け取って長野へ。しかし受験する気は
ハナからなく、早春の北アルプスのどこかに友人とテント泊で登り下り。帰宅
後、ご両親に「受験はせんかった。俺には向かんから、好きな山に関わる仕事
をする」と登山用品店に住み込みで働き始めた、という創業前史のエピソード
です。友人と共に欧州アルプスのアイガー北壁、マッターホルン北壁に史上最
年少で連続登攀したのはその3年後。80歳間近ながらカクシャクとした、希代
の冒険家のイメージが立ち上がってきます。
お問い合わせ
高田社会保険労務士事務所/〒630‐0223 奈良県生駒市小瀬町343-11/TEL&FAX 0743-76-6344/携帯電話 090‐9881‐5702

メールでのお問合せ