作成日:2026/05/18
奈良監獄ミュージアム
星野リゾートが4月27日に開業した「奈良監獄ミュージアム」に行ってきま
した。ユニークで興味深い、また出掛けたくなる博物館でした。 1908(明治41)年、奈良市北東の郊外に開設された「奈良監獄」は戦後、
「奈良少年刑務所」になり、法務省関連施設の再編で2017(平成29)年に閉
所となります。同時に、戦前の全国五大監獄のうち、唯一全容が残っていると
して国の重要文化財に指定された後、同社がレンガ造りの舎房等の外観を生か
して整備し、先ごろオープンしたという次第です。 入場は予約制で、指定された時間帯に順に入っていくため、さほど混雑する
ことなく順路を辿っていけます。さすがというか、老朽化が進んでいただろう
洋風監獄の内外の様相を残しながら修復し、1〜2階の通路を挟んでずらりと
並ぶ3畳ほどの独居房、短時間ながら定期的に入れたという浴室などの当時の
内部をうまく小ぎれいに再現しているように思えます。 コースを進むと、日本の監獄史を教える展示室、近年の「府中刑務所(東京
)」内部の1日を映したというドキュメンタリー風の15分ほどの動画(入所者
の顔はぼかしてあります)上映室もあり、おしまいに現代芸術風の内外のアー
ティスト数人の作品も鑑賞できて、飽きさせない体裁です。 全国各地の刑務所の三食の献立てサンプル、7時ごろ起床し8時間ほどの作
業(木工品作りなど)、将棋や読書を楽しむ休憩時間、夜10時には就寝という、
規則正しく、最低限の衣食住を備えた生活の「快適さ」が強調されていて、面
白い。何なら(機会があれば?)入っても構わない気もするほど。 明治維新後、欧米列強に認められるため「人権を重んじる近代監獄の造営」
にいそしんだ、と館内の案内パネルにあります。とはいえ、故吉村昭さんの監
獄絡みの多数の記録小説を読んだ覚えからすると、ミュージアムには監獄理想
化(?)の気配があり、負の部分がほとんど触れられていないようにも思えま
す。「異空間へのいざない」という、集客施設としての戦略かもしれません。 入場料は奈良県民2000円、県外からは2500円、海外からは3500円。構内
の舎房(独房)をリニュアルしたホテル「星のや奈良監獄」(全48室)も6月
25日にオープンとのことです。「ラグジュアリーな閉塞感」(?)などという
宣伝コピーが使われ、朝食だけで1人4800円。ヒトに勧める気は起きません
が、さぞ色々な工夫、アイデアが盛り込まれているのでは、とも思えてきます。
















