2025/10/16
友史会
「邪馬台国=奈良盆地にあった」説を押し出す公開講演会(9月13日)が面
白かったので、主催した奈良県立橿原考古学研究所(橿原市)の「友史会」(
ファンクラブ)に入会しました。 むかし九州に8年いたこともあり、「邪馬台国=北部九州」説も心情的に捨
てがたく思われますが、邪馬台国論争に限らず、奈良が列島の歴史の主舞台だ
ったと思われるのは3〜8世紀のざっと600年。古い時代だけに分かっていな
いことが多数あり、それらの現地を容易に見て回れる、という立地の良さがあ
ります。橿考研はじめプロの研究者も多く、見学会や講演会等で熱心に解説し、
質疑にも応えてくださいます。 例えば、友史会に入会した9月21日には、JR万葉まほろば(桜井)線巻
向駅に現地集合しての公開史跡めぐりに参加しました。考古学ファン約200人
の行列に交ざり、研究者の案内で「山の辺の道」や田畑のあぜ道を辿って纏向
遺跡、ホケノ山古墳、箸墓、黒塚古墳などを半日かけて歩きました。纏向遺跡
内の発掘調査跡で「ここに卑弥呼がいたと推測される大型の居館があったよう
です」という案内には感銘を受けました(推測されるというだけなので、感動
はしなかった)。 さらに今月12日には、近鉄畝傍御陵前駅そばの橿考研付属博物館に初めて
入り、やはり半日ほど館内を見て回りました。旧石器、縄文、弥生、古墳、飛
鳥、奈良時代に至る膨大な史料群が丁寧な、同時にかなり主観を含んだとおぼ
しき説明付きでびっしりと展示され、圧倒されます。「国内最大の考古学博物
館」と言われるのも、むべなるかなです。 館内には、在阪テレビ局の協力で制作したという「高松塚古墳の50年」「飛
鳥宮 古代国家形成の舞台」「太安萬侶(おおのやすまろ)墓の調査」など20
分足らずの動画10本近くを見ることもでき、退屈しない6時間でした(一連の
動画はYouTubeの「橿考研チャンネル」で見ることができます)。また、道楽
が増えました。