桂川通信コメント
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作成日:2025/04/02
湖南三山



 桜の様子見を兼ねて3月30日、滋賀県湖南市の天台系「湖南三山」を回って
きました。寒の戻り、ということで肌寒く、桜もつぼみ。とはいえ、三山いず
れも本堂が国宝に指定された古寺ながら参拝客は少なく、味のある寺めぐりで
した。  湖南三山は、鈴鹿山系西側山麓に並ぶ「湖東三山(西明寺、金剛輪寺、百済
寺)」の向こうを張って(としか思えません)、旧甲西町と旧石部町が2004年に
合併して「湖南市」になった折に記念事業として提案された、行政主導型のお寺
周遊コースのようです。室町時代から世に知られた「湖東五山」(今の湖東三山
プラス敏満寺、大覚寺)に対し、湖南三山はいわば提案されてまだ20年ほど。
歴史的には段違いに格下ということになる半面、里山に埋もれた名刹という点で
は湖東も湖南も共通しています。  国道1号の草津から中央競馬・栗東トレーニングセンターそばの田舎道を辿っ
てまず常楽寺。ここは奈良時代の開山とされ、国宝の本堂は南北朝時代に焼損後
すぐに再建された由。向かって左側後ろにある三重塔も国宝で、ともにたたずま
いは重厚です。境内には歩いて10分ほどの遊歩道も備わり、里村、さらに遠方に
は鈴鹿山系南部の山影も望めます。  次いで、車で5分ほどの近所にあるのが長寿寺。ここは山門から国宝の本堂ま
で広葉樹の中をしばらく歩きます。フクロウやサルなどの陶芸(信楽焼?)が数
多く置かれ、手入れも行き届いて面白い。本堂は奈良・天平年間の創建で、平安
前期・貞観年間の焼損後の再建とのことでした。確かに、相当に古びていて枯淡
の雰囲気があります。  常楽寺、長寿寺から国道1号を挟んで少し離れているのが、三つめの善水寺。
あいにく修復工事中ということで、国宝の本堂は大きな囲いで隠され、外観は分
からないまま。しかし、お堂の内部には入れて、本尊の薬師如来や四天王像など
平安から鎌倉にかけての重文15点ほどを間近に拝観できました。  季節がもっと良くなれば、今年もまた各地を出歩いてみたい、と考えています。
湖南三山はシブい味があり、若い時分とはまるで異なる感覚でお寺を、というよ
りその中心にあたる本堂を観ることになって、飽きることがありません。
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