作成日:2024/11/03
鎌倉殿と13人
2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿と13人』をレンタルDVDで観ました。
CMなしの1回45分を48回分(DVD13枚・計36時間)。当事務所にはテレ
ビがなく、NHKの集金人をいつも追い返し、生駒の自宅に帰ってもリモコン
の操作法が分からず。元々テレビを観る習慣に乏しく、大河ドラマも大昔の『
太閤記』『源義経』『天と地と』あたりまで。『13人』もおととしの放映中は
一度も観ていません。 こたびレンタル屋にてDVDを探したのは「大河ドラマの最高傑作」との評
を目にしたことと、谷恒生さんの長編小説『八幡太郎義家』を最近読んで平安
から鎌倉にかけての歴史に改めて関心を持ったため。実際『13人』は脚本・三
谷幸喜さんらしく、よく出来た、面白い連続歴史ドラマでした。3週間ほどの
合間々々追われるようにPCの画面で2時間映画なら18本分の録画を楽しんだ
次第です。「よくやった」というか「ようやるなあ」というか。 気づいたことをいくつか。まず、菅田将暉演じる源義経は、粗暴で幼稚で手
前勝手で変人じみた描かれ方でしたが、いささか極端過ぎる扱いではなかった
か。大泉洋演じる頼朝も少し違う気がしたものの、これは昔の大河『源義経』
で頼朝役になった芥川比呂志(龍之介の二男)のイメージが残っていたせいか
もしれません(義経は尾上菊之助=菊五郎でした)。 次いで、始まって半年弱で頼朝が事故死した前後からのシナリオが丁寧で、
ホームドラマ風のユーモアと、政権内の権力闘争の凄惨さが無理なく交じり合
っているように思えたことです。2代将軍・頼家の子公暁(こうぎょう)が鶴
ケ岡八幡宮で3代将軍実朝を殺す前、2人は会って話し合っていたという場面
など『13人』では、さもありそうな展開として腑に落ちました。 さらに全体として、頼朝の死後も梶原、比企、畠山、和田と続く、執権・北
条義時らによる連続粛清劇の経緯がよく呑み込める筋立てになっていたことで
す。鎌倉幕府御製の『吾妻鏡』をベースにしているためか、義時は悪人扱いで
はないものの、「鎌倉あっての北条」がいつしか「北条あっての鎌倉」に変じ
る委細が微妙にドラマの空気を変えていっているように思えます。以上、相変
わらずの閑話休題でした。