作成日:2023/06/03
大和三山
梅雨入り前の5月28日、奈良盆地の南に「∴」のような位置どりで並ぶ「大
和三山」に登ってきました。
近鉄京都線、橿原線を南下して橿原神宮前駅。神宮本殿の参拝後、境内そば
の登山口から畝傍山(うねびやま=標高199メートル)に入ります。低い山な
れど、登るにつれ周囲の景色が広がり、大阪との府県境に連なる二上山、葛城
山、金剛山も樹林の間からよく見えます。
さて、木々が囲む山頂で一息つき、北側登山口に降りたところで、見知らぬ
老女に突然声を掛けられました。「聖徳太子さんとアマテラスさんが降りて来
られたので、もう大丈夫ですよ」「は?」。上品そうな雰囲気ながら、目がウツ
ロ。新興宗教の伝道か、宇宙からの秘密電文を受信するという「電波女」か。
こんなときは変に質問したりせず、相手を刺激しないよう逃げるのが無難。私
も「ご苦労さまです」とだけ言ってすぐ離れました。
そのまま田畑と住宅が混在するなかを東進して近鉄の線路を越え、特別史跡
藤原京(694年〜710年)跡を横切ります。その後、香具山(かぐやま=152
メートル)の西側にある奈良文化財研究所・都城発掘調査部資料室に入館し、
小一時間、出土品やジオラマを見学しました。
私が不勉強だっただけですが、大和三山に囲まれた1キロ四方ほどの藤原京
跡の発掘作業はかなり進んでいるように見受けました。広さは710年にここか
ら遷都した平城京とほぼ同じ。特別史跡の真ん中から三山をぐるりと見渡すと、
さすがに絵になります。
香具山は、明日香から伸びる丘陵北端の岬のような山。20分もあれば登れま
す。さらに、炎天下の県道を北上し、JRと近鉄の線路を越えて三つ目の耳成
山(みみなしやま=140メートル)も30分ほどで登り下りしました。
三山を辿り終え、耳成山すぐそばの公衆温泉「あすかの湯」へ。温泉とサウ
ナで汗を流した後、生ビールと焼き鳥ほかを摂取・堪能しました。いやはや、
これが何とも実にうまい。年金受給者のくせして、世間さまに申し開きできな
い、バチが当たりそうなゼイタクです。
最後に近鉄大和八木駅まで歩いて合計約16キロ、万歩計は3万弱。最近の体
験から、歩数1万=体重1キロ減を確認しており、今回も翌朝の体重計は2.7キ
ロの減量でした(すぐ揺り戻しましたが)。