作成日:2022/10/17
一周トレイル その3
引き続き「京都一周トレイル」の東山北コース(7.2キロ)と北山東コース
1(9.8キロ)を歩いてきました。トレイル全行程83.6キロの半分を過ぎたこ
とになります。
10月8日土曜、京阪三条から市バスで銀閣寺そばの浄土橋へ。道標に従っ
て住宅地を北上し、比叡山を南側から登っていくコースに入ります。この東山
北コースは終始のぼりが続き、やがて西側の修学院離宮から上がってくる「雲
母(きらら)坂」に合流します。雲母坂は古来、比叡山への最短コースで、最
澄、空海、法然、親鸞、日蓮ら偉いお坊さんが自分の足で辿った道だとのこと。
その中途、ケーブルカーが上がってくる比叡山駅(標高700メートル)が東山
北コースのゴール。浄土橋からの標高差620メートルはややキツメながらも、
緑深い山道は雰囲気があって楽しめました。
次いで16日日曜朝、京阪と比叡山鉄道で八瀬駅に赴き、改めてケーブルカー
で比叡山駅まで上がれば、駅から北山東コース1が始まります。杉木立のなか、
比叡山延暦寺の寺域を通り、天台宗の有名な修行「千日回峰行(ほうぎょう)」
のコースをなぞるような山道を歩き、奥比叡では尾根道を北上していきます。
木立ちからは大津市街や琵琶湖も見えます。
ウィキによると、千日回峰行は深夜2時に出発し、真言を唱えながら約30キ
ロを6時間かけて巡拝する行を1〜3年は連続100日、次いで4〜5年は同200
日繰り返し、7〜9日間の断食・断水などを挟むという荒々しい修行。織田信
長の焼き討ちでそれまでの文書は焼失したようですが、1585年以降の記録では
これまでに51人が達成した、とのことです。
当然、今も白装束で修行中のお坊さんがいるはず。ただ、皆さん朝早いうちに
巡拝は終えるので、山中を駆け抜ける天狗のような姿は見られないまま。コース
の踏破は一周トレイルで最も標高のある水井山(794メートル)などの上り下り
で消耗したものの、午後4時前、大原に降り立つことができました。
大原は観光地らしい派手さが少なく「里の景色」が保たれています(有料駐車
場がやたら目立ちますが)。私は三千院を横目に、寂光院の隣で日帰り温泉も営ん
でいるという大原山荘に直行。しかし、山荘のスタッフは「日帰り入浴の受付は
3時半まで」と、京都らしい木で鼻を括ったような応対です。たとえ入湯料3000
円でも入るぞ、と意気込んでいただけにショックでした(下山後、すぐそこにあ
る温泉に入れない哀愁は分かっていただけると思います)。