作成日:2022/09/18
一周トレイル
京都盆地は、Uを上下逆にしたような山並みに囲まれています。逆Uの右下
(南東)から東山を北上し、北山を西進し、西山を南下して左下(南西)に連
なる全長83.6キロの散歩道が「京都一周トレイル」です。
一部に遊歩道や山道はあっても、全部をつなげるコースなど昔はなかったは
ず。調べると、1994年から20年ほどかけて市や府山岳連盟などが順次、整備
していった由。ガイド本を入手したのを機に、南東の起点から全部を踏破した
い、と思うに至りました。近々もくろむ北陸方面での山行(1泊2日!)に備
えた足馴らしと、随所にある展望台からの景色を楽しむのが目的です。
平日の昼前、起点となる京阪伏見桃山駅へ。事務所から5分。御香宮を過ぎ、
明治天皇陵、桓武天皇陵を擁した宮内庁所管の森の中を進みます。むかし近鉄
が造った5層の伏見桃山城(今は立ち入り禁止)を過ぎ、大岩山めざして北上。
コースを辿る人は前後、誰もいません。
頻繁なコースの曲がり角には高さ1メートルほどの道標が立っていますが、
目立たないので通り過ぎてしまう。ガイド本によると、伏見稲荷大社までのこ
の日のコース9.5キロには計35本あるとのこと。私はその3倍、100本ほどあ
ればいいのに、と思いました(勝手なことを言っています)。
大岩山の展望台から市南部方面を見晴らして納得し、下っていくと大岩神社。
ここには、日本画家堂本印象さんが寄進したという大小2つの、有名な石の鳥
居があります。映画「インディージョーンズ」に出てきそうな、不思議なデザ
インの彫刻が目を引きます。しかも、一帯は荒れていてミステリアスです。
やがて深草の住宅地に降り立ち、旧街道を伏見稲荷の入口まで。ゆっくり歩
いて4時間足らず、万歩計のカウントは2.5万に達し、翌朝の体重計の表示は
2キロ減でした。私は山歩きが好きなので地図を読むのは苦手ではなく、一周
トレイルの道のりは地図上のコースそのままだった、という当たり前の感想と、
心地よい疲れ、そして次回以降の伏見稲荷以北が楽しみになってきた次第です。